売上からいくら消えるのか|個人事業主の税金・保険料まるごと早見表
個人事業主のお金の話は、税金・保険がバラバラに語られて全体が見えません。この記事は「売上からいくら消えて、いくら残るのか」を1枚にした全体地図です。まずここで全体をつかんで、気になる項目は個別記事で深掘りしてください。結論だけ先に言うと——売上480万円でも、自由に使えるのは270万円前後です。
1 全体の流れ — 売上はこの順番で削られる
大事なのは、すべての税金・保険料が「所得」から計算されること。つまりSTEP1の「経費をきちんと引く」とSTEP2の「控除を積む」が、後ろの全部を安くします。ここがこの地図の背骨です。
2 モデル実額 — 売上480万円(月40万円)の場合
専業ドライバーのモデルケース。売上480万円・経費120万円・青色申告(65万円控除)・単身の場合のざっくり目安です。
| 項目 | 年額の目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| 売上 | 480万円 | 月40万円ペース |
| 経費(ガソリン・車両ほか) | −120万円 | 事業所得360万円に |
| 国民年金 | −約21万円 | 定額 |
| 国民健康保険 | −約35万円 | 所得比例・自治体差あり |
| 所得税 | −約9万円 | 控除後の課税所得に5%〜 |
| 住民税 | −約20万円 | 課税所得の約10% |
| 個人事業税 | −約3.5万円 | (360万−290万)×5% |
| 自由に使えるお金 | 約270万円 | 月22〜23万円ペース |
売上480万円と聞くと余裕がありそうですが、経費と税・保険で約210万円消えて、残りは270万円前後。月22万円ちょっとです。この構造を知らずに「日給2万×25日=月50万!」と皮算用すると事故ります。売上目標から逆算したい人は手取りシミュレーションへ。※数値は条件次第で大きく変わる目安です。
3 項目別の地図 — 深掘りは個別記事で
| 項目 | ざっくり目安 | 詳しく読む |
|---|---|---|
| 経費 | 取りこぼすと全部に響く | 経費にできるもの一覧 |
| 国保・年金 | 年40万〜60万円クラス | 国保・年金はいくら? |
| 住民税 | 課税所得の約10% | 住民税はいくら? |
| 個人事業税 | 所得290万円超の5% | 個人事業税はいくら? |
| 消費税(インボイス) | 登録した人だけ | インボイスは必要? |
| 青色申告 | 年10万円規模の節税 | 青色と白色の実額差 |
| 小規模企業共済 | 貯めながら節税 | 月1万円でいくら戻る? |
| 扶養の壁 | 副業・主婦はここ注意 | 扶養内はいくらまで? |
| 確定申告 | 全ての土台 | 確定申告のやり方 |
| 退職直後のお金 | 脱サラ1年目の山場 | 辞める前のお金の準備 |
この表がこのサイトの「お金の目次」です。ブックマークしておいて、必要になったタイミングで各記事に飛んでください。
4 減らす順番 — 効く順に並べた
| ① 経費を1円も漏らさない | 税金にも国保にも効く。最優先 |
| ② 青色申告65万円控除を取る | 年10万円規模。やらない理由がない |
| ③ 控除を積む(共済・ふるさと納税) | 貯蓄・返礼品つきの節税 |
| ④ 固定費を下げる(SIM・カード) | 一度やれば効き続ける |
①②は仕組み(帳簿と申告)の話、③④は打ち手の話。順番どおりにやれば、同じ売上でも手取りが年20万〜30万円変わることも珍しくありません。④は格安SIM・ガソリンカードの記事でどうぞ。
そして①②の土台になるのが会計ソフト。僕はこの地図の数字を「やよいの青色申告オンライン」で管理しています。経費の自動集計も青色65万円控除も、これ1本で仕組み化できて1年目は無料。全記事で薦めているのは、実際に3年使って手取りが変わったからです。
やよいの青色申告オンライン(初年度無料)を見る →5 1年のカレンダー — 「いくら」より「いつ」で詰む
ここまでは「いくら消えるか」の話でした。でも実際に資金繰りを壊すのは、金額よりも「いつ来るか」です。個人事業主の支払いは1年のうち特定の月に固まっています。しかも、それを知らずに使ってしまってから請求が届く。
軽貨物・フードデリの個人事業主が、1年で何を払うかを並べるとこうなります(赤が山、緑が要注意の月)。
(申告期限と同じ日)
第1期/国保も通知
+個人事業税 第1期
節税の仕込み
いちばんきついのは8月です。住民税の第2期と個人事業税の第1期が重なるうえ、国保の分割も走っている。しかも8月は夏で、暑さで稼働が落ちやすい月でもあります。出ていく額がいちばん大きい月と、稼ぎにくい月が重なっている——これが個人事業主の資金繰りが崩れる典型パターンです。
具体的な取り分け方は、これくらいの雑さでちょうどいいです。
| 売上が入ったら | その場で2〜3割を「税金・保険用」の口座へ移す |
| その口座は | キャッシュカードを持ち歩かない。使えないようにしておくのがコツ |
| 残ったら | 3月・6月・8月を越えて余った分は、そのまま来年の分に回す |
| 考え方 | 貯金ではなく「預かり金」。最初から自分のお金ではない、と決めてしまう |
※納期は制度と自治体によって異なります(住民税は6月・8月・10月・翌1月の4期、個人事業税は8月・11月の2回が一般的。軽自動車税は5月末が多い)。国保の期数は自治体差が大きく、所得税は口座振替を選ぶと引き落とし日が後ろにずれます。正確な日付は、届いた納付書とお住まいの自治体の案内でご確認ください(執筆時点=2026年8月)。
この記事の2章で「売上480万円でも自由に使えるのは270万円前後」と書きました。その差額の約210万円は、1年のあいだにこのカレンダーの順で出ていきます。金額だけ知っていても、タイミングを知らないと同じ場所で詰まる。地図(いくら)と時刻表(いつ)は、セットで持っておいてください。
! ぶっちゃけ言うと — ここは注意
- この表の数字は「目安」。家族構成・自治体・年度で全部変わる。設計図として使い、正確な額は各窓口で確認を。
- 税金・保険の分は最初から「ないお金」として取り分ける。売上の25〜30%を別口座へ。これだけで資金繰りの事故はほぼ防げる。
- 全部を一度に理解しなくていい。今日は全体地図だけ持ち帰って、請求が来たタイミングで個別記事を読めば間に合います。
この地図を「自分の数字」にするのが帳簿です
ここまでの数字は全部モデルケース。あなた自身の「いくら消えて、いくら残るか」は、日々の売上と経費の記録からしか見えません。僕は「やよいの青色申告オンライン」に口座とカードを連携して、所得も控除も自動で見える状態にしています。初年度無料。この記事の内容を自分の数字でやるなら、ここからです。
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