個人事業主の国保・年金はいくら?|所得別の実額と安くする方法
会社を辞めて配達で独立すると、まず驚くのが保険料の請求額。会社員時代は給料から自動で引かれ、しかも会社が半分払ってくれていました。個人事業主は全額自分持ち。国民年金は年約21万円、国保は所得次第で年数十万円。ここを知らずに脱サラすると資金計画が崩れます。実額の目安と、合法的に安くする方法をまとめます。
1 会社員との違い — 半分負担が消える
ポイントは2つ。①会社の半分負担が消える ②国保は「前年の所得」で決まる。つまり脱サラ1年目は会社員時代の所得で計算された国保が来るので重い。逆に言うと、経費を正しく計上して所得を抑えれば、翌年の国保は下がります。退職直後のお金の全体像は会社を辞める前のお金の準備で詳しく。
2 実額の目安 — 所得別にいくら来るか
国民年金は所得に関係なく定額で、2026年度(令和8年度)は月17,920円=年214,800円です。国保は自治体で差がありますが、ざっくり所得の1割強+固定額。40歳以上は介護保険分が上乗せされます。
| 事業所得(売上−経費) | 国民年金 | 国保の目安 | 合計の目安 |
|---|---|---|---|
| 200万円 | 約21万円 | 約20万円前後 | 年約41万円 |
| 300万円 | 約21万円 | 約28万円前後 | 年約49万円 |
| 400万円 | 約21万円 | 約37万円前後 | 年約58万円 |
所得300万円なら、保険関係だけで年50万円クラス。月に直すと4万円強がここに消えます。「日給いくら」だけ見て独立すると、この規模感に後から気づいて青ざめる……はあるあるです。手取りの全体像は手取りシミュレーションとセットでどうぞ。※国保は自治体・年度で変わるので、正確な額はお住まいの市区町村のシミュレーションで確認を。
3 安くする方法 — 合法的に下げる4つ
| ① 経費を漏らさず計上 | 所得が下がる=翌年の国保が下がる |
| ② 青色申告の65万円控除 | 国保の計算でも控除が効く自治体が多い |
| ③ 国民年金の前納 | 2年前納で1万円以上の割引 |
| ④ 全額が社会保険料控除 | 払った分だけ所得税・住民税が下がる |
いちばん効くのは①経費の取りこぼし防止。国保は所得比例なので、経費を1万円漏らすと「税金+国保」でダブルに損します。ガソリン・車両・スマホ代など経費にできるもの一覧を確認して、記帳を仕組み化しておくのが結局いちばんの節約です。所得が大きく下がった年は免除・納付猶予制度(年金)や減免制度(国保)も使えるので、苦しい年は放置せず窓口へ。
ちなみに僕の記帳環境は1年目まるまる無料で始められる「やよいの青色申告オンライン」。銀行・カード連携で経費が自動集計されるので、取りこぼし対策が仕組みで回ります。操作も素直で、3年使って不満なし。
やよいの青色申告オンライン(初年度無料)を見る →4 将来の穴 — 厚生年金が消えた分をどう埋めるか
会社を辞めて困るのは、いま払う額だけではありません。将来もらう額も減ります。会社員は「国民年金(老齢基礎年金)+厚生年金」の2階建てでしたが、個人事業主は1階部分だけになるからです。払う額は増えて、もらう額は減る——ここが独立のいちばん地味で、いちばん効いてくる部分です。
2階部分を自分で作る手段は、大きく4つあります。
| 付加年金 | 月400円を上乗せ。将来の年金が「200円 × 納めた月数」ずつ毎年増える |
| 国民年金基金 | 掛金に応じて将来の受取額が決まる。全額が社会保険料控除 |
| iDeCo | 自営業は月68,000円まで。全額が控除。ただし60歳まで1円も引き出せない |
| 小規模企業共済 | 年84万円まで控除。廃業時に受け取れて、貸付制度もある |
| 配達業なら | 収入が揺れるので、引き出せる手段(小規模企業共済)を先に。ただし付加年金だけは別格 |
1年ぶん(12か月)納めた場合で並べます。
| 払う額 | 400円 × 12か月 = 年4,800円 |
| 将来ふえる年金(毎年) | 200円 × 12か月 = 年2,400円 |
| 元が取れるまで | 2年。以降は受け取るあいだずっとプラス |
月400円は1日あたり13円。缶コーヒー1本より安い金額で、2年で元が取れて、そのあとは一生増えたまま。やらない理由がほとんど見当たりません。
ただし、申し込むときの注意が3つあります。
※付加保険料を納めると、iDeCoに出せる上限が月68,000円から67,000円に変わります(合計の枠が決まっているため)。保険料の額・制度の要件は年度によって変わるので、最新は日本年金機構またはお住まいの市区町村でご確認ください。
順番をまとめると、①まず付加年金(月400円)を窓口で申し出る ②余力ができたら小規模企業共済 ③さらに余ればiDeCo。この順番なのは、配達の仕事は収入が月ごとに揺れるからです。60歳まで引き出せないお金を先に積むと、稼げない月に身動きが取れなくなる。小規模企業共済の記事で、共済とiDeCoの使い分けをくわしく書いています。
! ぶっちゃけ言うと — ここは注意
- 国保に「扶養」はない。会社の健保と違い、家族の分も人数分かかる。家族持ちの脱サラは、ここを必ず試算してから。
- 40歳になると介護保険分が上乗せ。同じ所得でも40歳を境に国保が数万円増える。
- 滞納だけはしない。国保・年金は督促が固く、延滞金も付く。苦しいときは免除・分納の相談が先。
- 退職直後は「任意継続」と比較を。会社の健保を2年まで続けられる制度。どちらが安いかは人による。詳しくは退職前のお金の記事で。
保険料は「所得」で決まる。だから帳簿がそのまま節約になる
国保を下げる最短ルートは、経費を1円も漏らさず申告すること。僕は「やよいの青色申告オンライン」に銀行・カードを連携して、経費の取りこぼしをなくしています。初年度無料で、青色申告の65万円控除にも対応。保険料と税金、両方に効きます。
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