小規模企業共済で節税&退職金づくり|月1万円でいくら戻る?
個人事業主には退職金がありません。ないなら、税金を減らしながら自分で作る——それが国の機関が運営する「小規模企業共済」です。掛金は全額が所得控除になるので、貯めているだけで毎年税金が戻ってくるイメージ。月1万円でどれくらい効くのか、実額で見ていきます。
1 制度ざっくり — 国の「個人事業主向け退職金」
ポイントは「貯金なのに、税金が下がる」こと。普通の貯金は何も控除されませんが、共済の掛金は全額が所得控除。つまり同じ額を貯めるなら、共済経由のほうが確実に得です。掛金は途中で増減できるので、収入が不安定な配達業でも続けやすい設計になっています。
ただし、入る前に確認したいのが加入資格です。この制度は「事業を営む個人事業主など」が対象で、会社員が副業でやっている場合は加入できないとされています。配達を副業でやっている人は、まずここを確認してください。
※加入資格の詳細は中小機構の公式案内で必ず確認してください。事業の実態によって判断が分かれる場合があります。
2 月1万円の効果 — 実額でいくら戻る?
月1万円(年12万円)を掛けた場合の節税額。税率は所得税+住民税の合計目安です。
| 課税所得 | 税率の目安 | 年間の節税額 | 20年続けると |
|---|---|---|---|
| 〜195万円 | 約15% | 約1.8万円 | 節税累計 約36万円 |
| 195万〜330万円 | 約20% | 約2.4万円 | 節税累計 約48万円 |
| 330万〜695万円 | 約30% | 約3.6万円 | 節税累計 約72万円 |
月1万円の積立で、毎年2万円前後の税金が戻る感覚。20年続ければ掛金240万円がほぼそのまま残るうえ(共済金として利息相当も上乗せ)、節税の累計が40万円を超えることも。「貯金+節税」の二重取りができるのがこの制度の本体です。国保・年金と並ぶ控除の柱として、社会保険料控除やふるさと納税と組み合わせると効きます。
3 iDeCoとどっちを先にやるか
掛金が全額所得控除になる制度は、もうひとつiDeCo(個人型確定拠出年金)があります。「どっちがいいですか」と聞かれますが、そもそも両方使えます。
(自営業)
小規模企業共済は月1,000〜70,000円(500円単位)=年84万円、iDeCoは第1号被保険者(自営業など)で月68,000円=年81.6万円が上限です。iDeCoの上限は国民年金基金等と合算になります。制度は改正されることがあるため、最新の条件は各公式サイトでご確認ください。
とはいえ、走り始めたばかりで両方いっぱいに掛けられる人はまずいません。順番をどうするかが現実的な問題です。違いを並べます。
| 項目 | 小規模企業共済 | iDeCo |
|---|---|---|
| 引き出せる時期 | 廃業・退職時など | 原則60歳まで不可 |
| 掛金の上限 | 月7万円 | 月6.8万円(自営業) |
| 運用 | 共済が運用 | 自分で商品を選ぶ |
| 元本割れ | 20年未満の任意解約で発生 | 運用結果によって発生しうる |
| 貸付制度 | あり(掛金の範囲内) | なし |
収入が安定して、当面の生活防衛費もある人ならiDeCoの併用は強力です。ただし「使えないお金」を先に増やしすぎると、車の修理や事故で詰みます。まずは共済を月5千円〜1万円で始めて、余裕が出てから枠を広げるのが現実的です。
4 受け取り方 — 出口でも税優遇
| 廃業・64歳以上での請求など | 共済金として受け取り |
| 一括受け取り | 退職所得扱い=税負担がかなり軽い |
| 入口も出口も優遇 | 掛金は控除・受取は退職金扱い |
受け取るときは退職所得控除が使えるため、普通の収入としてもらうより税金が大幅に軽くなります。掛金を払う入口で節税、受け取る出口でも優遇——個人事業主の老後資金づくりとしては最優先クラスの制度です。緊急時には掛金の範囲内で貸付制度もあり、いざという時の備えにもなります。
! ぶっちゃけ言うと — ここは注意
- 20年未満の「任意解約」は元本割れする。廃業などの正当な受け取りなら大丈夫だが、気軽な途中解約は損。だから無理のない掛金設定が大事。
- 掛金の減額は掛けた部分の運用が止まるなどデメリットもある。最初から月7万円でイキらず、月5千円〜1万円で始めて様子を見るのが現実的。
- 加入には確定申告書の控えなど事業の証明が要る。開業したてなら開業届の控えでOK。開業届の出し方を参照。
- 控除を受けるには申告が前提。せっかく掛けても、確定申告で控除欄に書かなければ1円も戻らない。僕は初年度無料のやよいの青色申告オンライン
で控除欄まで含めて自動作成している。
「控除の積み上げ」は、申告がきちんとできてこそ
小規模企業共済・国保・年金・青色65万円控除——個人事業主の節税は控除の積み上げが全てで、その土台が日々の帳簿と確定申告です。僕は「やよいの青色申告オンライン」で売上・経費・控除をまとめて管理して、自宅から申告まで終えています。初年度無料。
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