個人事業税はいくら?|軽貨物は払う?払わない?を整理した
所得税・住民税は知っていても、「個人事業税」は独立してから初めて知る人が多い税金。結論から言うと、所得290万円以下なら0円。290万円を超えた分に5%かかります。軽貨物は「運送業」として課税対象になるのが基本なので、稼げるようになった年の翌年に急に納付書が来て驚かないよう、仕組みを押さえておきましょう。
1 何の税金? — 都道府県に払う「事業やってる税」
個人事業税のために特別な手続きは何も要りません。確定申告のデータが都道府県に共有され、課税対象なら夏に納付書が届く仕組み。逆に言うと、納付書が来ない=所得が290万円以下だったということです。
2 軽貨物は対象 — 運送業=第1種事業・税率5%
| 軽貨物・配達の業種区分 | 運送業(第1種事業) |
| 税率 | 5% |
| 計算式 | (事業所得 − 290万円)× 5% |
法律で定められた業種(法定業種)に当てはまる事業だけが課税対象で、運送業は税率5%の第1種事業。軽貨物・宅配委託はここに入るのが基本です。フードデリ専業の扱いは都道府県の判断によって差が出ることもありますが、「配達で所得290万円超なら来るもの」と思って資金計画に入れておくのが安全です。
3 実額の目安 — 所得別にいくら?
| 事業所得(売上−経費) | 計算 | 個人事業税 |
|---|---|---|
| 290万円以下 | 課税されない | 0円 |
| 350万円 | (350−290)×5% | 3万円 |
| 400万円 | (400−290)×5% | 5.5万円 |
| 500万円 | (500−290)×5% | 10.5万円 |
目安として「290万円を超えた分の5%」。所得400万円なら5.5万円です。注意点がひとつ——青色申告の65万円控除は、個人事業税の計算では引けません。所得税は青色控除後で計算されますが、事業税は控除前の事業所得ベース。「所得税は安くなったのに事業税が来た」はこの仕組みのせいです。
自分の所得がいま290万円ラインのどちら側にいるかは、帳簿がないとわかりません。僕は初年度(1年間)無料の「やよいの青色申告オンライン」で売上・経費を自動集計していて、所得の現在地がいつでも見えます。これが結局いちばんの納税書対策。
ちなみに290万円は「所得」であって「売上」ではありません。ここを取り違えると、必要以上に身構えることになります。
| 売上 500万円 | 経費が200万円なら 所得は300万円 → 課税対象(超過10万円×5%=5千円) |
| 売上 500万円 | 経費が250万円なら 所得は250万円 → 0円 |
| つまり | 経費をきちんと計上しているかどうかで、課税されるかが変わる |
所得290万円は、月あたりにすると約24万円。売上ベースなら、経費率にもよりますが月30〜35万円あたりから意識するラインです。専業で毎日走っていれば十分に届く水準なので、「自分には関係ない」と思わないほうが安全です。
やよいの青色申告オンライン(初年度無料)を見る →4 納付書が届いたら — 実はこの税金、経費になる
ここが個人事業税のいちばん重要なところです。個人事業税は、翌年の経費(租税公課)に入れられます。
所得税や住民税は、どれだけ払っても経費になりません。「事業のための支出ではなく、個人が負担するもの」という扱いだからです。ところが個人事業税は「事業を営むうえで必要な支出」とされ、全額を必要経費に算入できます。
扱いが逆
国民健康保険料・国民年金保険料も経費にはなりませんが、こちらは社会保険料控除として所得から差し引けます(国保・年金の記事)。「経費」と「所得控除」は別の仕組みです。
つまり、払った個人事業税の分だけ翌年の所得が下がるということ。5.5万円払ったなら、翌年の経費が5.5万円増えます。払いっぱなしにせず、必ず帳簿に入れてください。
| いつ | 8月と11月の2回(自治体により異なる場合あり) |
| 払い方 | 納付書・口座振替・クレジット・スマホ決済など(自治体による) |
| 記帳 | 勘定科目は「租税公課」。納付した年の経費にする |
| 備え | 所得が290万円を超えそうなら、超過分の5%を別に取り分けておく |
納付が難しいときは、放置せず都道府県の税事務所に相談してください。分割などの相談に応じてもらえる場合があります。放っておくと延滞金がつき、状況が悪くなるだけです。
※納期・納付方法・相談の可否は都道府県によって異なります。届いた納付書と、お住まいの都道府県税事務所の案内を必ず確認してください。
! ぶっちゃけ言うと — ここは注意
- 払った個人事業税は経費にできる。所得税・住民税は経費にならないが、個人事業税は「租税公課」として経費計上OK。忘れずに。
- 納付書は8月に来る。前年の稼ぎに対して夏に請求が来るので、稼げた年は翌年夏用のお金を残しておく。
- 290万円ラインの攻防に無理は禁物。経費の取りこぼしを防ぐのは大事だが、所得を偽って抑えるのは脱税。記録に基づいて堂々と。
- 都道府県によって案内・運用に差がある。不明点は都道府県税事務所に確認を。
「気づいたら290万円超えてた」を防ぐのは日々の数字管理
個人事業税は所得290万円が境目。自分の所得が今いくらなのか、リアルタイムで見えていれば資金計画も立てやすくなります。僕は「やよいの青色申告オンライン」で売上・経費を自動集計して、所得の現在地をいつでも確認できるようにしています。初年度無料。
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