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配達中に自転車がパンクしたら|その場の判断と、パンクを減らす方法

配達のがっこう2026.08.14軽貨物3年目
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料理を持ったまま、後輪がぺしゃんこになる。自転車で配達をしていて、いちばん血の気が引く瞬間です。しかもパンクは、雨の日や、荷物が重い日や、急いでいる日に限って起きます。
この記事は2つに分かれています。前半は「起きてしまった今日、どう動くか」。後半は「そもそもパンクを減らすには」
先に結論を書くと、パンクの多くは運ではなく、空気圧が足りていないことが引き金です。そしてママチャリでいちばん普通に付いている「英式バルブ」では、空気圧を正しく測れません。ここを知らないまま「ちゃんと空気は入れてる」と思っている人が、いちばんパンクします。

01 まず何をする02 3つの選択肢03 原因は空気圧04 出発前の3分! ぶっちゃけ言うと

1 パンクした瞬間 — 自転車より、預かっている荷物が先

パンクに気づいた瞬間、多くの人が真っ先に自転車を見ます。でもいま自分が持っているのは、他人の食事です。順番はこうなります。

1
安全な場所まで押して寄せる
パンクしたまま走ると、チューブだけでなくタイヤやホイール(リム)まで傷めることがあります。乗らずに押します。数十メートルでも、車道の真ん中で止まるより歩道の端に寄せるほうが先です。
2
持っている荷物が「食べ物かどうか」を確認する
ここで判断が分かれます。温かい料理は、時間が経つほど価値が下がります。宅配便の荷物なら多少遅れても中身は変わりませんが、フードデリバリーは違います。
3
アプリのサポートに連絡する
自分で判断して勝手に離脱しないのが鉄則です。Uber Eatsも出前館も、アプリ内のヘルプからサポートに連絡できます。「車両トラブルで配達を継続できない」と伝えて、指示を仰ぎます。
4
届け先が歩ける距離なら、歩いて届けるという手もある
徒歩10〜15分程度で着く距離なら、押して歩いて届けてしまったほうが早いことがあります。判断に迷ったらサポートに聞きます。
新人ドライバー新人
近くの自転車屋で直してから、続きを配達したらダメなんですか? そのほうが評価も下がらない気がして。
スーパー配達員Z配達員Z
気持ちは分かるけど、修理は20分では終わらないことが多い。その間ずっと料理は冷めていくよ。手に食べ物がある間は、直すより先に「誰かに届く形」を作るのが優先。修理はそのあと。

出前館には「トラブルカウント」と呼ばれる管理のしくみがあると説明されています。車両トラブルによるキャンセルでもカウントされる場合があるという話が配達員側から出ており、連絡が遅れるほど心証が悪くなるのは間違いありません。気づいた時点ですぐ連絡する。これが結果的にいちばん傷が浅くなります。

※サポートの連絡先・対応の内容はサービスや時期によって変わります。アプリ内のヘルプから最新の案内を確認してください評価とクレームのしくみもあわせてどうぞ。

2 直す・押す・帰る — かかる時間とお金を先に知っておく

配達を切り上げたあと、3つの道があります。その日のうちに走り出せるかで選び方が変わります。

選択肢かかる時間お金向いている場面
自転車屋に持ち込む店の混み具合しだい。待ち時間が読めない下記のとおりいちばん確実。近くに店があるなら第一候補
自分で直す慣れて20〜30分。初回は1時間近く見るチューブ代(数百〜2千円台)+工具家に帰ってから。路上での作業は現実的ではない
その日は帰る0円(ただし稼働時間を失う夜遅い・雨・店が閉まっている

修理代は「穴をふさぐ」か「チューブごと替える」かで大きく変わります。サイクルベースあさひの公表している修理工賃(シティサイクル)は次のとおりです。

同じチューブ交換でも、前輪と後輪では工賃が違う
前輪
2,860円(税込)
後輪
4,290円(税込)
差は1,430円。後輪はチェーンや変速機、荷台と一緒に組まれているので、外すのに手間がかかるためです。いずれも部品代(チューブ代)は別で、パンク修理(穴を1か所ふさぐ)なら1,650円(税込)と案内されています。

ここが配達員にとって痛いところです。自転車は荷物の重さが後輪にかかります。配達バッグを背負っていても、リアキャリア(荷台)に積んでいても、重さが乗るのは後ろです。つまり、いちばん傷みやすい側が、いちばん工賃の高い側ということになります。

後輪のチューブ交換+部品代だと
およそ5,000円前後
これに「その日走れなかった分の売上」が上乗せされます

※金額は執筆時点でサイクルベースあさひが公表しているシティサイクルの工賃です。店舗・自転車の種類・状態によって変わります。他のチェーンや個人店では料金体系が異なるので、持ち込む前に電話で聞くのが確実です。

3 パンクは運ではない — 引き金の多くは「空気圧」

「釘を踏んだ」パンクは、実はそれほど多くありません。配達で起きるパンクの多くは、空気が足りない状態で段差に乗り上げたことが引き金です。

これを「リム打ちパンク」と言います。タイヤの中の空気が少ないと、段差に乗り上げた瞬間、タイヤとチューブが「段差」と「リム(ホイールの縁)」に強く挟まれます。するとチューブに2つ並んだ穴が開く——ヘビに噛まれた跡に似ているので「スネークバイト」とも呼ばれます。国民生活センターもリム打ちパンクについてテスト結果を公表しており、空気圧が不足しているほど起きやすくなると説明されています。

配達の自転車が不利な理由 ①
荷物の重さが加わる自分の体重だけで走る人より、タイヤにかかる負担が大きい。空気圧不足の影響も大きく出る
配達の自転車が不利な理由 ②
走行距離が桁違い通勤で片道3kmの人と、1日50km走る人では、タイヤの消耗速度がまるで違う
配達の自転車が不利な理由 ③
段差を越える回数が多い歩道への出入り、マンションの敷地、コンビニの入口。1日に何十回も段差を通過する
だから
月1回では足りないことがある一般には「1か月に1回」が目安とされるが、それは毎日長距離を走る前提の数字ではない
新人ドライバー新人
空気ならちゃんと入れてます。ゲージ付きの空気入れを買ったので、数字も見てます。
スーパー配達員Z配達員Z
それ、ママチャリだとその数字は当てにならないんだ。ここが今日いちばん伝えたいところ。

🚨ママチャリに付いている「英式バルブ」では、空気圧が正しく測れません。これは空気入れが悪いわけでも、測り方が下手なわけでもなく、バルブの構造上そうなっているという話です。

英式バルブは虫ゴムという小さなゴムの部品が弁の役割をしています。この構造のせいで、ゲージが拾うのはバルブの入り口付近の圧力であって、タイヤの中の圧力そのものではありません。サイクルベースあさひも公式の解説で、「バルブの入り口付近の圧(負圧)を測定するため、タイヤの実際の空気圧より高めに表示される」と説明しています。つまり、数字を見て「入っている」と思っていても、実際は足りていないことがあるということです。

そのまま使うと
英式バルブ
ゲージの数字が実際より高めに出る。「入っているつもり」で走ることになる。ママチャリの標準はこれ
アダプターで変換すると
米式バルブ
自動車と同じ形式。空気圧を数字で管理できるようになる。バルブに差し込むだけで、チューブ交換は不要

対策は2つあります。ひとつはエアチェックアダプターという部品で、英式のチューブに差し込むだけで米式(自動車と同じ形式)に変換できます。もうひとつはスーパーバルブという、虫ゴムを使わない構造のバルブに交換する方法です。あさひの実験でも、スーパーバルブは米式バルブと同等の測定精度が得られたと報告されています。

そして、あさひの解説にはこう書かれています。——「一度、数字通りの空気圧を知り、以後は手の感覚で適正に近い空気圧を入れてあげれば」よい、と。毎回きっちり測る必要はありません。大事なのは「正しい硬さを一度、指で覚える」ことです。

4 出発前の3分でできること、そのための道具

パンクをゼロにはできません。でも減らすことはできます。走り出す前にやることは3つだけです。

① タイヤを指で強く押す。親指で押して、ほとんどへこまないのが適正です。少しでもぐにゃっと沈むなら空気が足りていません。前輪より後輪を必ず確認してください。荷物の重さが乗るのは後ろです。

② タイヤの接地面をぐるっと見る。ガラス片や小石が刺さったまま走ると、時間をかけてチューブまで届きます。刺さっているものを見つけたら、その日のうちに抜く。パンクしていなくても抜きます。

③ 段差の手前で、必ず減速する。リム打ちパンクは段差を勢いよく越えた瞬間に起きます。歩道に乗り上げるとき、斜めに入らず、できるだけ直角に、ゆっくり。これだけでかなり減ります。

スーパー配達員Z配達員Z
「空気を入れる日」を曜日で決めてしまうのがいちばん続くよ。「気づいたら入れる」だと、気づくのはたいてい抜けきってから。

道具の話をします。買うのは2つだけで、しかもこの2つはセットで意味があります。ゲージ(空気圧計)が付いた空気入れを買っても、英式バルブのままではその数字が当てにならない——これが3章の話でした。だから変換アダプターとセットで初めて機能します。以下は執筆時点で販売ページに記載されていた内容で、価格・仕様は変わります。購入前に必ず最新の表示をご確認ください。

パナレーサー製の自転車用フロアポンプ。アルミ製の本体に空気圧ゲージが付いている
本体 — ゲージが付いていることが条件

パナレーサー ワンタッチポンプ BFP-02AGEZ2

空気圧ゲージ付き仏式・英式・米式 対応最高圧 500kPaアルミ製5,400円

自転車のタイヤ・チューブで知られるパナレーサーのフロアポンプです。選ぶときの条件はひとつ、ゲージが付いていること。感覚だけで入れていると、たいてい足りません。
ワンタッチ式の口金なので、バルブに差してレバーを倒すだけで固定できます。毎日使うものは、この「面倒くささの差」がそのまま続くかどうかを決めます。
もっと安いものでも構いません。大事なのはメーカーではなくゲージが付いていることです。ただし本体だけでは足りない、というのが下の話になります。

パナレーサー エアチェックアダプター ACA-2。英式バルブを米式に変換する小さな金具
ママチャリなら、これが無いと意味がない

パナレーサー エアチェックアダプター ACA-2(2個セット)

英式 → 米式に変換2個入り=前後輪ぶん差し込むだけチューブ交換不要910円

これが3章の答えです。英式バルブに差し込むだけで米式(自動車と同じ形式)に変換され、ゲージの数字が信用できるようになります。チューブごと交換する必要はありません。
2個セットなのが重要です。自転車のタイヤは前後で2本あるので、1個だけ買うと片方しか管理できません。
1,000円かからない部品ですが、これが無いままゲージ付きポンプを買っても、表示は実際より高めに出ます。「入れているのにパンクする」の正体は、たいていここです。

空気入れもアダプターも、配達に使う自転車のためなら経費にできます(どちらも10万円未満なので、買った年に全額を消耗品費として計上できます)。何が経費になるかは経費にできるもの・できないもの一覧にまとめました。スーパーバルブへの交換で対応する方法もあります。どちらか一方で十分です。

! ぶっちゃけ言うと — パンクで本当に失うもの

走っている側の実感で書きます。

  • 痛いのは修理代ではなく、その日の売上です。チューブ交換5,000円は確かに痛いですが、もっと痛いのは「稼働できるはずだった半日」のほうです。ピークタイムに動けなかった日の損失は、修理代よりずっと大きくなります。
  • だから「その場で直して続ける」より「早く切り上げる」ほうが、結果的に得なことが多い。焦って走り続けても良いことはありません。パンクしたまま走ればタイヤやホイールまで傷めて、修理代がさらに上がります
  • 空気入れは、家に1本あるかどうかで差がつきます。「近所のスタンドで借りればいい」と思っていると、結局は月に1回も入れません。玄関に置いてあって、出かける前に30秒で触れる——この状態を作れるかどうかです。
  • 「入れているのにパンクする」人は、たいてい測れていません。英式バルブの話を知らないまま何年も乗っている人はとても多いです。1,000円かからない部品で解決するので、ここは早めに手を打つ価値があります。
  • そして、パンクはゼロにはなりません。毎日何十キロも走り、段差を何十回も越える乗り方をしている以上、いつかは来ます。目標は「起きない」ではなく「起きる回数を減らす」と「起きたときに慌てない」。この記事の前半を一度読んでおくだけで、当日の動きはかなり変わります。
  • 自転車で続けるか、原付やバイクに乗り換えるかを考えている人は、パンクの頻度も判断材料のひとつです。自転車で配達を始める記事に、費用と乗り換えどきをまとめてあります。

直す費用より、入れる習慣のほうが安い

後輪のチューブ交換は部品代を入れると5,000円前後。空気入れとアダプターを揃えても、その1回分とほぼ変わりません。しかも空気入れは何年も使えます。どちらも仕事の道具なので経費にできます

※本記事は物販の紹介リンクを含みます。商品の仕様・価格は変動します。最新情報は各販売ページでご確認ください。

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