黒ナンバー後の案件の探し方|マッチングアプリ・委託会社を比較
黒ナンバーを取ったあと、多くの人がつまずくのが「で、案件はどこで取るの?」。フードデリと違い、軽貨物の宅配・スポット便は自分で仕事を見つける必要があります。探し方は大きく「マッチングアプリ」「委託会社」「スポット便」の3つ。それぞれの仕組み・中間マージン・向き不向きを、数字にしてまとめます。
1 3つの探し方 — どこで仕事を取るか
2 比較で選ぶ — 3つの方向
| 探し方 | 稼ぎ方の特徴 | 向く人 |
|---|---|---|
| マッチングアプリPickGo・ハコベル等 | 好きな案件を選べる | 自由に働きたい人 |
| 委託会社の固定案件宅配ルート | 収入が安定・読める | 毎月の見込みが欲しい人 |
| スポット便・チャーター単発 | 高単価もあるがムラ | サブ・スキマで稼ぐ人 |
| ネット通販の宅配大手の配送 | 物量が安定 | 黙々・体力型の人 |
王道は「まず委託会社の固定で土台を作り、空いた時間にスポットを足す」。固定で毎月の最低ラインを確保しつつ、マッチングアプリで美味しい単発を拾うと収入が安定します。最初から全部スポットだと、仕事が無い日に焦りがち。Amazon Flexのような時間枠制と組み合わせる人も多いです。
3 お金の話 — 中間マージンに注意
案件には「紹介してもらう」ぶんの中間マージンが乗ることがあります。同じ仕事でも、どこ経由かで手取りが変わります(数字は一例)。
| 案件の元値(荷主が払う額) | 10,000円 |
| 仲介・委託会社のマージン(例) | −1,000〜2,000円 |
| ガソリン・車両費の按分 | −経費ぶん |
| 自分の取り分(概算) | 残り=手取りの元 |
「マージンが高い=悪」ではありません。仕事を安定して回してくれる対価でもあるからです。大事なのは「自分の手取りがいくらか」を案件ごとに把握すること。経費の引き方は経費一覧、月の手取り目標は手取りシミュで逆算を。記録は会計ソフトに任せると楽です。
中間マージンを完全にゼロにするのは簡単ではありませんが、屋号名の窓口を持っておくと、委託会社や荷主とのやり取りで信頼度が上がったり、名刺代わりになったりします。将来的に自分のホームページや問い合わせページを持つ予定があるなら、独自ドメインは早めに押さえておくと安心です。お名前.comで独自ドメインを見てみる →
4 契約と法律 — 2024年から後ろ盾ができた
軽貨物の仕事は「雇用」ではなく「業務委託」です。つまり労働基準法(=会社員の労働時間や解雇のルールを守っている法律)は基本的に適用されません。長いあいだこの業界は、条件は口約束、支払いは相手の都合、でも通ってしまう世界でした。それが2024年11月1日から変わっています。
施行されたのがフリーランス新法(正式名称「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」)。名前が長いので通称で呼ばれますが、個人で仕事を受ける人=軽貨物の委託ドライバーは、まさにこの法律が想定している相手です。
発注する側(委託会社・荷主)に課された主な義務は、ざっくりこの4つです。
| 取引条件の明示 | 業務の内容・報酬額・支払期日などを、書面かメール等で示す義務 |
| 支払いは60日以内 | 物品等を受け取った日から60日以内のできる限り短い期間で期日を定め、その日までに払う |
| 長い支払いは無効 | 「100日後に払う」と合意しても、60日以内に払う合意とみなされる |
| 不当な扱いの禁止 | 一定期間以上続く取引では、一方的な報酬の減額・受領拒否・買いたたきなどが禁止 |
| つまり | 「条件を書面でください」は失礼ではなく、相手側の義務 |
支払いサイクルは会社によって差があります。同じ「月末締め」でも、翌月払いか翌々月払いかで待つ日数がまったく違う。
翌月末払い
翌々月払い
これは制度の話であると同時に、独立1年目の生活費の話でもあります。売上が立っているのに手元に現金が無い、という状態が最初の数か月に起きる。だから「最初の入金までの生活費」を先に用意しておく必要があるわけです(手取りシミュレーションで目安を出しています)。
もしもめたときの相談先として、「フリーランス・トラブル110番」という窓口があります。弁護士に無料で相談できる公的な窓口です。もめてから探すのではなく、契約する前に「そういう窓口がある」と知っておくだけで、条件を聞くときの気持ちがまるで違います。
法律の内容は執筆時点(2026年8月)のものです。発注する側が従業員を使っているかどうかなどで、適用される義務の範囲が変わります。実際の判断は公的な窓口・相談先でご確認ください。
法律ができたからといって、業界全体がすぐきれいになるわけではありません。でも「知らないから何も言えない」状態からは抜けられます。契約前に確認すべきことは、結局この4つです。①1日の稼働時間と物量 ②報酬の計算方法(個数制か日給制か) ③締め日と支払日 ④辞めるときの条件。この4つを書面でもらえない会社とは契約しない——を自分のルールにしておくと、だいぶ安全です。
! ぶっちゃけ言うと — ここは注意
- 固定案件は「安定」と「拘束」が裏表。毎月の収入は読めるが、休みづらい・時間が縛られることも。契約前に「稼働日数・時間・1日の物量」を必ず確認。
- スポットは仕事が無い日もある。「好きな時に働ける」は「鳴らない日もある」と同義。スポット1本に頼らず、固定やフードデリと組み合わせて穴を埋めるのが現実的。
- 契約内容をよく読む。マージン・拘束・車両やリース条件など、後から「聞いてない」が起きやすい分野。うまい話ほど条件を確認。最新の募集条件は各サービスの公式で。
- 案件を取る前に、事業者としての義務も確認。2025年4月から、黒ナンバーで運送業をする人には「貨物軽自動車安全管理者」の選任と届出が義務づけられました。1人でやっている個人事業主も対象です(すでに登録済みの人には2027年3月末までの猶予あり)。詳しくは黒ナンバーの記事にまとめました。
黒ナンバーを取ったら、まず「土台+スポット」で組む
軽貨物の案件は、固定で毎月の最低ラインを作り、マッチングアプリやスポットで上乗せするのが王道です。マージンや拘束の条件は案件ごとに違うので、「自分の手取りがいくらになるか」で選ぶのがコツ。募集条件・報酬・対象エリアは変動するので、必ず各サービスの公式で最新をご確認ください。
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