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配達で壊れるのは腰・ひざ・足|負担を減らす持ち方と道具

配達のがっこう2026.08.14軽貨物3年目
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配達を辞める理由で、意外と多いのが「稼げないから」ではなく「体が持たなくなったから」です。
この仕事は、同じ動きを毎日何百回も繰り返します。1回の負担が小さくても、100件やれば100回。それが半年続けば、どこかに必ず出ます。
そして厄介なのは、壊れてから休むと収入がゼロになることです。会社員のように有給はありません。だから「痛くなってから対処する」ではなく、「痛くなる前に負担を減らす」しかない
この記事では、厚生労働省の指針にある「持ち上げていい重さの目安」と、階段の下りで膝にかかる力という2つの数字を軸に、今日から変えられることをまとめます。

01 壊れる3か所02 腰と体重40%03 ひざと階段04 道具で減らす! ぶっちゃけ言うと

1 配達で壊れるのは、だいたいこの3か所

走っている人に聞くと、痛くなる場所はほぼ決まっています。そして3か所とも、原因は「動き」ではなく「回数」です。

1

荷物を持ち上げる動きが原因。特に荷室の奥から手前に引き出すときが危ない。前かがみのまま腕を伸ばして引く姿勢は、腰にいちばん負担がかかります。軽貨物・宅配に多い。

2

ひざ

階段の下りが原因。上りより下りのほうが負担は大きい。エレベーターなしの物件が多いエリアだと、1日で数百段を降りることになります。

3

足(裏・かかと)

歩く距離と、靴が原因。1日2万歩を超える人も珍しくありません。合わない靴やへたった中敷きのまま走ると、足裏からふくらはぎ、膝へと順に来ます。

新人ドライバー新人
まだ始めて2か月なので、どこも痛くないです。若いうちは大丈夫ですよね?
スーパー配達員Z配達員Z
出るのはたいてい半年〜1年たってからなんだ。しかもある日突然じゃなくて、じわじわ来る。「なんか重いな」が2週間続いたら、もうサインだと思っていい。

この記事で扱うのは「予防」だけです。すでに痛みがある場合、原因は人によって違います。2週間以上続く痛み、しびれ、力が入らない——このどれかがあるなら、まず整形外科を受診してください。道具でごまかして走り続けるのが、いちばん高くつきます。

2 腰 — 「体重の40%」を知っているか

厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」には、人力で持ち上げていい重さの目安が書かれています。ここを知らずに走っている人が、ほとんどです。

満18歳以上の人が繰り返し持ち上げる場合の目安
男性:体重のおおむね40%以下
女性:24%以下
これを超える重さを扱うときは、2人で運ぶか、台車などの道具を使うことが前提とされています。
自分の体重だと、何kgまでか(男性の場合)
体重55kg
22kg
体重65kg
26kg
体重75kg
30kg
体重90kg
36kg
ここで気づいてほしいこと。宅配便の荷物は、規格の上限がおおむね30kgです。つまり体重75kgより軽い人は、上限いっぱいの荷物を1個持つだけで、指針の目安を超えます。「持てるかどうか」ではなく「持っていい重さかどうか」は別の話、ということです。

では、どう持つか。指針にはやり方まで書かれています。膝を使うかどうかで、腰にかかる力はまるで変わります。

やりがち

膝を伸ばしたまま、上体を曲げる

荷室から荷物を取るとき、立ったまま腰だけ折って手を伸ばす——この姿勢です。指針では「両膝を伸ばしたまま上体を下方に曲げる姿勢を取らないように」と明記されています。急いでいるときほど、これをやります。

正しい

片足を前に、膝を曲げてしゃがむ

片足を少し前に出し、膝を曲げてしゃがむように抱え、そこから膝を伸ばして立ち上がる。あわせて荷物を体に近づけること、持ったまま腰をひねらないこと、息を止めずに腹に力を入れることも指針に書かれています。

いちばん効くのは、荷物の置き方を変えることです。奥にある荷物を前かがみで引き出す動きが、腰にとっていちばん悪い。配る順の逆に積んで、手前から取れる状態を作っておくと、この動作そのものが減ります。車内レイアウトの記事に積み方をまとめました。持ち方を鍛えるより、持たなくていい形を作るほうが早いです。

3 ひざ — 階段は「下り」のほうが効く

階段は上るほうがきついと感じますが、膝にとっては下りのほうが負担が大きいとされています。

膝にかかる力(体重の何倍か)
平地 1〜1.5倍 → 階段の下り 3〜4倍
着地の瞬間に、体を支えながらブレーキをかけるためです。資料によっては3〜5倍とするものもあり、幅がありますが、平地より大幅に大きいという点は共通しています。

これを配達の数字に置き換えます。エレベーターなしの記事で書いたとおり、共同住宅の階段は建築基準法施行令の基準から1フロアおよそ17段。3階まで上がって降りれば、下りだけで34段です。体重65kgの人なら、1段ごとに200kg前後の力が膝にかかる計算になります。それを1日に何十回。

新人ドライバー新人
じゃあ階段を降りるとき、どうすればいいんですか。走って降りるのがいちばん速いんですけど……。
スーパー配達員Z配達員Z
飛ばして降りるのだけはやめたほうがいい。2段飛ばしは着地の衝撃が一気に増える。手すりを持つだけでも腕が体重を分担してくれるから、片手を空けておくのは意味があるよ。

現場でできることは3つです。①手すりを使う(そのために片手を空ける=荷物をまとめて持つ) ②段を飛ばさない ③かかとから落とさず、足裏全体で着く。どれも「速さを捨てる」話に見えますが、膝を痛めて1か月休むほうが、はるかに遅いです。

4 道具で減らす — ただし使い方を間違えない

持ち方と段取りを変えたうえで、道具で底上げします。買うのは2つで足ります。以下は執筆時点で販売ページに記載されていた内容で、価格・仕様は変わります。

作業用の腰サポーター。黒いメッシュ素材で、二重の加圧ベルトが付いている
本命 — 重い荷物を持つ日に

働く人向け 腰サポーター(二重加圧式・メッシュ)

二重加圧で締め具合を調整メッシュ通気薄型・軽量男女兼用3,680円

配達で選ぶときの条件は「薄いこと」と「蒸れないこと」です。ぶ厚いものは車の乗り降りで引っかかって、結局つけなくなります。そして夏は汗で蒸れるので、メッシュでないと続きません。
二重加圧式は、締める強さをその場で変えられるのが利点です。重い荷物のときだけ強く締めて、移動中はゆるめる——この使い分けが、次に書く「つけっぱなしにしない」に直結します。
サイズ展開があるので、必ず自分のウエストを測ってから選んでください。

腰ベルトでいちばん多い間違い
朝から晩まで、つけっぱなしにしない
腰ベルトは体を支える仕事を肩代わりする道具です。だから長時間つけ続けると、本来おなかや背中の奥の筋肉がやるべき仕事の出番が減ると説明する医療機関が多くあります。「必ず筋力が落ちるという確実な根拠はまだ示されていない」とも書かれていますが、あくまで補助として使い、重い物を扱う場面で締める——これが共通した説明です。痛みがあって使っている場合は、外す時期も含めて医師に相談してください。
アーチサポート形状のインソール。土踏まず部分が高く盛り上がった中敷き
歩く距離が長い人・階段が多い人

アーチサポート インソール(理学療法士監修・片足約25g)

衝撃吸収片足 約25g理学療法士監修高さ3.7cmのアーチ1,980円

靴そのものを買い替えるより、まず中敷きを替えるほうが安く済みます。1,980円で、履いている靴がそのまま使えます。
配達は1日2万歩を超えることもある仕事です。着地の衝撃は足裏から順に上へ伝わるので、ここで少しでも吸収させておく意味はあります。片足25gと軽いので、入れても足の重さがほとんど変わりません。
「へたっているかどうか」は見れば分かります。今履いている靴の中敷きを抜いて、かかとが薄くなっていたら替えどきです。

ここで紹介しているのは、負担を軽くするための道具であって、治療のためのものではありません。痛みや不調があるときは自己判断せず、医療機関で相談してください。効果の感じ方には個人差があります。どちらも仕事で使う道具なので経費にできます経費にできるもの一覧)。

! ぶっちゃけ言うと — 体は替えがきかない

走っている側の実感で書きます。

  • いちばん効いたのは、道具ではなく積み方でした。ベルトもインソールも意味はありますが、「奥から前かがみで引き出す回数」を減らしたときがいちばん変わりました。道具は最後の底上げです。順番を間違えないでください。
  • 「まだ大丈夫」がいちばん危ない。体は、限界の手前で急に痛くなるのではなく、じわじわ来て、ある日動けなくなります。「なんとなく重い」が2週間続いたら、それはもう前兆です。
  • 休むのが最大の対策、というのは分かっています。でも個人事業主は休むと収入がゼロになる。だからこそ「1日休む」より「毎日5%減らす」ほうが現実的です。手すりを持つ、膝を曲げる、荷物を体に近づける。1件あたり数秒の話です。
  • ただし、痛みが出たら道具でごまかさない。ベルトを締めて走り続けて悪化させると、結果的に1か月休むことになります。1日休んで病院に行くほうが、圧倒的に安い。労災の特別加入に入っておくと、働けない期間の補償が出ます。
  • そして、体だけは替えがききません。車は買い替えられるし、スマホも直せる。10年続けたいなら、いちばん大事な設備は自分の体です。点検の対象に入れてください。

持ち方を変えて、道具で底上げする

順番は①積み方を変える ②持ち方を変える ③道具を足すです。道具から入っても効果は限定的ですが、①と②をやったうえで足すと変わります。どちらも仕事の道具なので経費にできます。

※本記事は物販の紹介リンクを含みます。商品の仕様・価格は変動します。紹介しているのは負担を軽減するための道具であり、治療を目的としたものではありません。痛みや不調がある場合は医療機関にご相談ください。

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